花崗岩
花崗岩とは…
火成岩の一種で、マグマが地下深くでゆっくり冷えてできる深成岩の中の1つです。
花崗岩は通称「御影石」とも呼ばれ、主な成分が粒子の大きさが数mm程の石英、長石などといった鉱物からなる岩石です。
この花崗岩に含まれる鉱物によって、ピンク色~白色まで様々な色をしています。 日本でよく見られる花崗岩は、アルカリ長石と斜長石の量がほぼ等しいものです。
分布
花崗岩は大陸や島弧などの陸地を構成する岩石の中では非常に一般的なもので、中国地方に広く分布しています。
用途
花崗岩は主に石垣や敷石、墓石などに古くから使用されていて、皆さんも一度は目にしたことがあると思います。
花崗岩の条件
主に下記の2点の条件を満たす深成岩を花崗岩と呼んでいます。
- 主成分が長石と石英で、他に10%程の有色鉱物(黒雲母等)を含み、全体的に白っぽく見える。
有色鉱物の含有量が多いものは閃緑岩の範疇に入る。 - 成分中にナトリウムとカリウムの含量が少ない非アルカリ岩質であること。アルカリ分が多くなると石英が減って角閃石が多くなり、閃長岩と呼ばれる。
花崗岩が風化すると…
花崗岩は風化の影響を受けやすい岩石で、花崗岩が風化すると「まさ土」と呼ばれる白っぽくザラザラした土になります。まさ土は園芸などで広く使われています。
風化作用には2種類あり、一般に機械的に砕片化する物理的風化と、変質して粘土鉱物類を生成する化学的風化です。
風化花崗岩とは…
花崗岩は、縦や横に亀裂があるのですが、その亀裂に沿って水や空気が進入すると、長石、雲母などが粘土鉱物へと変化して「まさ土」化していきます。
亀裂間隔が1m以上の地域では、直径数mにも達することもある「コアストーン」と呼ばれる未風化礫がゴロゴロする特異な地形を形成します。
また、亀裂間隔が数cmの亀裂密集帯では、水が岩盤全体に浸透するため風化が進行し、地表から100m以上の深さまでの「まさ土」からなる「深層風化帯」を形成します。
風化花崗岩の危険性
風化した花崗岩は掘削がしやすい反面、災害の危険性も併せ持っています。まさ土化が進んだ斜面では崖崩れや土石流などの土砂災害がしばしば発生します。また、コアストーンが山腹斜面に点在する地域では落石の危険性があります。さらに、岩自体は非常に硬質でも、亀裂や節理に囲まれた岩塊が崩壊やすべりを起こすこともあります。
用途①
花崗岩中の主成分である石英は非常に風化しにくく、風化が進むと構成鉱物の粗い粒子を残したままばらばらの状態になります。
このようにして生じた白~黄土色の粗い砂を「真砂土」、もしくは「真砂」と言います。
真砂は学校の校庭の敷き砂などに使用されます。この土が河川によって海まで運ばれると、風化に強い石英主体の白い砂浜になります。
用途②
花崗岩自体は固くて緻密なのですが、花崗岩中の斜長石や黒雲母といった原料は比較的風化を受けやすく、斜長石が分解してできる「カオリナイト」の良質なものは、陶土として使用されます。
ですので、焼き物の街と呼ばれる瀬戸や信楽などは、花崗岩が地表に出ている地域でもあるのです。