鉱山の魅力
本来、山は人が間引くなどの手入れをしながら、木々を育てていくものです。しかし、今現在は山の手入れができるような人材もおらず、放置されている山が多くなっています。そうすると活用する機会も失われ、ただそこにあるだけになってしまうのです。
しかし、弊社が関わることで2つの新たな価値を生み出す場合もあり、最近では頼まれることも多くなってきました。
山を平らにしておじいちゃんおばあちゃんが集うゲートボール場にするという開発や、種の吹付けを行い、木々を再生させるといった活動を行っています。木々を伐採してしまった後の山でも、緑化ができれば山はまた息を吹き返すことができるのです。このような植栽プロジェクトを民間企業と一緒に行い、論文を出せるよう取り組んでおります。
開発で山を切り拓いて事業価値を生み出すだけでなく、この2つの新たな価値を用いて長期的に地域への恩返しを行うことで、良い影響を与えることができるはずだと考えています。
日本の鉱山事情について
日本列島は少量ながら多種の鉱産資源が採掘可能で、少量でも高価値の金や銀の産出量は、世界でも上位の時期がありました。
明治時代に入ると、富国強兵政策の下に鉱山開発が進められ、北海道や九州北部の炭田や足尾銅山、釡石鉱山が開発されました。高度経済成長期の1960年代までは、各地の鉱山で活発な採掘が続けられていましたが、価格が安く品質の良い外国産の資源が輸入されるようになり、各地で相次いで閉山が行なわれました。21世紀に入っては技術継承のため、釧路炭田で採掘が行なわれているのみで、その他の鉱山については、多くが閉山に至っています。
現在日本の鉱山で採掘されるもの・されていたもの
現在、日本で鉱業法によって採掘する事ができる鉱物は以下の通りです。
金
古くは、奈良時代に陸奥国(宮城県の現黄金山神社)にて砂金が産出されています。その後、日本各地で発見され、戦国~江戸時代には各地の大名が採掘を行なっていました。金鉱脈の探査は大戦後も続けられており、1981年に発見された菱刈鉱山が、現在日本の金採掘量のほぼ全てを占めており、供給されている金の約3割がリサイクルから生まれているのです。
金の使用用途として、身近なスマートフォンにも約0.03gの金が使用されています。また、インドなどでは、金はバークと呼ばれ食されており、ヨーロッパでも16世紀から食されています。もともとは薬用として摂取されていたとのことです。
銀
日本では石見銀山を始め、院内銀山、生野銀山など長期間産出した銀山があリましたが、現在は金鉱山の菱刈鉱山で、金の副産物として産出する程度になっています。
銀の使用用途は、主にアクセサリーやスプーン・フォークなどをイメージしますが、消臭剤や洗剤、またデザートの装飾としても食べられているなど、多岐にわたり使われています。
銅
日本では足尾銅山、別子銅山などが産出していましたが、輸入銅に押され減産が続き、次々に閉山を余儀なくされ、1994年を最後に日本の操業中の銅山は完全に消滅してしまいました。それ以降は鉛・亜鉛鉱山の副産物としてわずかに生産されるのみとなっていましたが、その鉛・亜鉛鉱山も2006年を最後に国内では消滅してしまいました。
鉄鉱石
日本で近年大規模な鉄鉱石の採掘が行なわれた鉱山として、釡石鉱山が有名です。末期には銅も採掘していましたが、1993年に採掘を終了しました。鉄鉱石は単体では特に何の役にも立ちませんが、くず鉄、石炭、石灰と混ぜて燃やすと、鉄として解けて出てきます。
ウラン
1955年に人形峠でウラン鉱床が発見され、1987年まで採掘が行なわれていました。
主に核燃料として原子力発電等で使用されています。
その他
鉛鉱、そう鉛(ビスマス)鉱、すず(錫)鉱、アンチモニー(アンチモン)鉱、水銀鉱、亜鉛鉱、鉄鉱、硫化鉄鉱、クローム(クロム)鉱、マンガン鉱、タングステン鉱、モリブデン鉱、ひ(ヒ素)鉱、ニッケル鉱、コバルト鉱、ウラン鉱、トリウム鉱、りん(リン)鉱、黒鉛、石炭、亜炭、石油、アスファルト、可燃性天然ガス、硫黄、石こう(石膏)、重晶石、明ばん石、ほたる石、石綿、石灰石、ドロマイト、けい石、長石、ろう石、滑石、耐火粘土、砂鉱…など
鉱山事業について
鉱山事業は、規模や環境によって大幅に異なってはくるが、基本的には以下の3つとこれらを補佐する事業から成り立っています。
採鉱
鉱床から鉱石を採掘する仕事です。鉱床の規模や地理・地学的な面から採掘法は選別されますが、鉱山は主に2つの方法で採掘作業が行われます。
「露天掘り」
鉱床が大規模で比較的地表の近くに存在する場合に用いられれ、坑道を掘らずに地表から渦を巻くように地下めがけて掘っていく方法です。
鉱石が採掘されるにつれ、より深く・大きく広がる巨大な穴を掘っていきます。石炭鉱床は、広いエリアに渡って積層していることが多いため、露天鉱山は数百から数千ヘクタールまでにも拡張されます。
「坑道掘り」
地表から深度があり、鉱床が小規模である場合に用いられ、鉱床に沿ってトンネルを掘り進めて鉱石を採取する方法です。
鉱床が比較的浅い場合、鉱石の鉱脈に到達するために採掘用の大きな穴を掘り、ショベルカーや掘削機、ダンプトラックなどの巨大な機械で表土を除去し、鉱石を輸送し、処理していきます。
ときに数キロメートルの深さに及ぶ、狭くて複雑なトンネルによってできているところもあります。
選鉱
採鉱して得た鉱石を物理的に選別し、有用な鉱石とそうでない鉱石(尾鉱)を選別する仕事です。方法としては、以下の4つに分類されます。
手選鉱
人の目を利用して選別するという原始的な方法
比重選鉱
鉱石の比重差を利用する方法
磁力選鉱
鉱石の磁性を利用する方法
浮遊選鉱
鉱石の親水性を利用する方法などがありますが、手選を行なった後に、浮遊選鉱を行なうなど、複数の方法を取り入れる場合もあります。
ここで選別された有用な鉱石は「精鉱」と呼ばれ、次の製錬に回され、残された尾鉱は鉱山周辺に廃棄されることが多いです。
製錬
選別された精鉱を化学的に処理し、有用な元素を取り出す事を製錬と言います。主な対象は非鉄金属で、非金属元素はこの行程を省略されることが多いです。一般的に鉄の製錬の事を「製鉄」と呼んでいます。
製錬方法としては、主に以下の2つに分類されます。
乾式製錬
火力を用いて溶融・揮発させて元素を抽出させる方法。
対象は鉄、銅、鉛、水銀、アンチモンなど
湿式製錬
薬品の水溶液を用い、精鉱から元素を抽出して分解させる方法。
対象は金、銀など
こうした方法で抽出された元素は溶融された後、成形・冷却されて地金となります。
ただし、こうした工程を経ても地金は未だに不純物を多く含むので、電気分解して純度を99%以上にします。これを電解製錬と呼びます。
鉱山の付随事業
こうした鉱山における3つの事業はいずれも単独で行われることは難しいと言われています。この
ため、鉱山においてはこれらに付随する形で以下のような様々な設備が設置されています。
・機械工場 ・車両整備工場 ・化学工場 ・発電所 ・変電所 ・ポンプ場 ・廃水処理場 ・貨物鉄道など
こうした付随事業が整備されることによって、鉱山の主要事業は円滑に進めることができるのです。
世界の有名な宝石と採掘される鉱山
テレビや雑誌で一度は聞いたことがある有名な宝石や貴重な宝石と、そういった宝石や原石が採掘される有名な世界中の鉱山について紹介します。
パライバトルマリン
パライバトルマリンは、ブルーやグリーンが個性的な輝きを放つ美しい宝石です。
その独特な美しさから、目の肥えたコレクターでも一度は手に取ってみたくなる宝石だと言われています。
また、眠っている才能を開花させる自己開発能力と、正解を導きだすための洞察力を高めてくれる石とされています。
また、パライバトルマリンは、その希少価値から現在市場に出回っている宝石の中で、1カラット当たりの価格が一番高いと噂されている宝石です。
その中でも最も高額で取引きされているパライバトルマリンが採掘されることで有名な鉱山がバターリャ鉱山です。パライバトルマリンの採掘量は年々減っており、今では「幻の宝石」と呼ばれるほど極僅かな採掘量になっています。
ロードクロサイト
ロードクロサイトは、咲き誇るバラのような豊かなピンク色が特徴で、紅赤色が強く潤った透明感のあるものが高級品とされ、好まれています。
また、その昔アンデス山脈で多く取れたロードクロサイトが質の良いことで有名になり、古代インカ帝国では「インカの薔薇」として愛されていたことから「インカローズ」という別名でも呼ばれています。
パワーストーンとしても、「恋愛の石」としても有名です。
ロードクロサイトは現在でも世界各地で産出されるのですが、そんな中でもアメリカのスイートホーム鉱山が最も重要な鉱山と言われています。
その理由は、スイートホーム鉱山で産出されるロードクロサイトの透明度はとても高く、カットも可能な為、優良な原石とされているからです。
色はオレンジ色~柔らかな帯橙ピンク色といった、独特の色合いのロードクロサイトが特徴で、他鉱山とは違った美しいロードクロサイトが産出されることでも有名です。
アクアマリン
アクアマリンは、3月の誕生石としても有名です。また、別名『天使の石』と呼ばれ、美しい若さと幸せな喜びを象徴する石とされています。『幸せな結婚』を象徴するとともに子宝に恵まれる石としても人気の石ですので、結婚を控えている方への贈りものとしても喜ばれるでしょう。また、アクアマリンには、コミュニケーション力アップや、人間関係の改善にも効果が期待されています。
そんなアクアマリンの中でも、特に深いマリンブルー色が採掘できるのがサンタマリア鉱山です。サンタマリア産のアクアマリンは、青がとにかく濃く、特徴的な美しさを持っているため産出される鉱山名をとって「サンタマリアアクアマリン」と呼ばれるほど有名で、アクアマリンの中では最高品質のものとされています。
ただし、サンタマリア鉱山は、すでに絶産してしまい閉鉱されているため、「サンタマリア・アクアマリン」は現在出回っている物のみで非常に貴重です。
ダイヤモンド
ダイヤモンドは、4月の誕生石として有名で、最高の輝きを放つ宝石です。名前の由来はギリシャ語で「征服しがたい」を意味す「adamazein」がその名の語源です。パワーストーンとしても様々な効果があり、「魔除け」といったお守りの意味、「願いや想いを増幅させる」という思考の増幅機のような意味、「人脈を引き寄せる」という人間関係での意味、「富・財産を引き寄せる」という金銭的な意味など多岐に渡ります。
そんなダイヤモンドのが沢山採れる鉱山として有名なのが、カリナン鉱山です。1890年に発見されて以来、20世紀初頭には年間200万カラットの産出量を誇り、世界最大級のダイヤモンド鉱山として有名です。
ピンクダイヤモンド
1979年オーストラリアにある世界最大のダイヤモンド鉱山として有名なアーガイル鉱山で、ピンクダイヤモンドは採掘されました。 本来無色であるはずのダイヤモンドが、なぜピンク色になるのかは未だ解明されていません。
希少価値もとても高く、透明のダイヤモンドの0.1%しか発掘されないと言われています。
恋愛や求婚に関する効果が高く「完全無欠の愛」という意味が込められています。ですので、ピンクダイヤモンドを使った婚約指輪を用意することで、 これからプロポーズする男性の背中を押してくれるアイテムにもなります。
ルビー
ルビーは古くから勝利を呼ぶ石、カリスマ性を高める石として、権力の象徴として扱われてきました。特に女性との相性が良い宝石で、身につけた人の潜在的な魅力を引き出し、異性を惹きつけて出会いのチャンスを与えてくれるでしょう。
そんなルビーが採れる鉱山として有名なのがミャンマーのモゴック鉱山です。
ここは非加熱(一切手を加えないまま)ルビーの宝石が眠る鉱山で、岩山で採掘する鉱山と山の底面で採掘を行う鉱山の2種類の鉱山が存在します。モゴック産のルビーは、色が濃く、石の中の濃淡のバランスが美しいため、非常に人気があります。
ブルーサファイア
ブルーサファイアは、落ち着いた色合いからコーディネートもしやすく、硬度もダイヤモンドに次いで高いので、普段使いにも向いている大変人気のある宝石です。
ブルーサファイアを手に取り瞑想するだけで、素晴らしいアイディアと閃きを得られるとされ、多くのクリエイターやアーティストからも支持されています。
そんなブルーサファイアの中でも、インドとパキスタンの国境付近にあるカシミール鉱山で採掘されるサファイアが、比類ない美しさを持つ青さから、目にした人々からは『一度目にしたら忘れられないブルー』とまで言われているそうです。
エメラルド
語源に「緑の石」という意味をもつエメラルド。その神秘的で深い緑色の光は、古来から多くの人々の心を魅了し、現在まで愛され続けている宝石の一つです。
エメラルドは南米コロンビアが主な産出国なのは有名です。
エメラルドの宝石言葉は、「幸運・幸福・夫婦愛・安定・希望」とされ、“愛の成就”という意味も持ちます。
そんなエメラルドの産出量世界一を誇っているのがコロンビアで、世界のエメラルドの産出量の約80%を占めています。
中でも、コロンビアのムゾー鉱山より産出されるエメラルドは質が良く、その中でも良質のものは、【スパニッシュエメラルド】と呼ばれ、とても人気があります。
ブラックオパール
ブラックオパールの多くは不透明な黒色から濃灰色を地色とし、そこから放たれる多彩な光や輝きは、同じ石を探すことが困難とされていることから、まさに一点ものの天然石と言えるでしょう。
そんな世界に1つだけの輝きを持つブラックオパールには、「カリスマ性・自信・魅力」などの前向きな意味が込められています。
ブラックオパールが多く産出できる鉱山として有名なのが、オーストラリアのニューサウスウェールズ州北部ライトニングリッジ。
最高級と言われるブラックオパールは、1つの石の中に七色が混在し、特に赤の色がが多ければ価値が高いと言われています。